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百三十七回目。

最近、昼夜逆転した生活がたたったのか、早くベッドに入っても眠れない。早くといっても、頑張って2時なんだけど、どうにかして眠りに就こうと思って部屋の電気を全部消した。それでもダメで、目を開けるたびに、ほっぺたを力いっぱい叩くという体罰を自分に課したけど、掌が痛くなっただけだった。(ちなみに私はMではない。私の右手がSなだけだ。)枕もとには携帯があったので、適当にいじっていたら、我ながら天才的な考えが閃いた。

クソみたいな携帯小説を読めばそのうち眠くなるに違いない!!

これが天才的かどうかという判断は読者様にゆだねるが、こういうわけで生まれて初めて携帯小説を読んでみる気になったのだ。読むにあたって、ゲーム好きの友人の勧めで「モバゲー」という巨大SNSで、先日有害サイトの規制対象にされると決まった携帯サイトに1年以上前にユーザー登録したことを思い出した。とはいっても、あまりゲームに興味もないし、面白半分に中学生のリアルな実名いじめの実態をこの目で確認したっきり放置だったのだけど、久々にアクセスしてみたところ、携帯小説の投稿サービスが人気なようだった。一番上に名前があった作品に目がとまったためクリックすると、サービスはだいぶ本格的に動いてるようで、どうやら講談社で出版化が決定しているらしい。

ひょっとしたらこれはカス・・・いやクソみたいな携帯小説じゃないかもしれない、と思いつつ読んでみた。読み始めたら・・・やっぱりカスだった。今まで携帯小説を読んだことがなかったが(携帯小説をもとにした本を電車で読んでる人を横目で見た限りクソだということは知っていた)、これほどまで腐っているとは思わなかった。

文学的な素養のかけらもない、稚拙な駄文がひたすら続く。浅い表現と、同じ言い回しの連続。オチは設定の時点で読める。230ページほどあるので、どれほどの長編大作なのかと思いきや一行につき台詞は2・3コ。文章は多くて10行あるだろうか。作者の親指が疲れるのか、読者の目が疲れるのを考慮したためか、それとも単にメール1通程度の短文しか創造出来ない能力しか持ち合わせてないのか、一文ずつがいやに短く、故に臨場感や情景描写は無に等しい。1ページ、短くて1秒で読める。(読むのが早い人は分かると思うけど、文章を目で追わず、私はカタマリで読むので…) 数十ページ(はたしてこれをページとカウントして良いのかどうかは悩むが)は読んだ。印象に残らない駄文だったため、すでに記憶はあやふやだが。

とにかく次に驚いたのはレビューのページ。「泣いた」「泣けます」「初めて小説ょんだけど、まぢ泣けたぁ」「ハンカチのよぉいを!!」「命の尊さを知りましたァ」など、私が中学生だとしてもこれをレビューと呼ぶには恥ずかしい一文が大量にあった。「泣いた」と書いた無数のユーザー本当に泣いているとしたら、日本国民の涙線に何らかの寄生虫が発生し、涙線から体液を分泌するように仕向けているとか、花粉の大量発生がすでに猛威を奮っている(有力説)とか、そんな理由だろう。だいたい、初めて小説を読んだとされる人は、義務教育を受けていないのだろうか。それとも、小学校低学年の国語教科書に載っている(た?)「ごんぎつね」で号泣した幼い私が奇人だったのだろうか。(ちなみに今思い出しても泣ける) まぁ、少なくとも新美南吉の情緒溢れる素朴な美しい文体の方が巷に散乱するクソみたいな携帯小説より遙かに文学的に豊かであり、に満ちているのは確かだ。(というか比べ物になりません、雲泥どころではありません。ごめんなさい新美先生。)

読了するのも時間の無駄、こんなカスみたいな小説を読んで、クソみたいな体液を分泌してから、糖分を過剰に含んだ清涼飲料水で喉の渇きを癒しつつ、命の尊さを実感する少年少女が可哀想で仕方がない。

何よりこの程度のカス文学(ああ!)作品を商業資本と見なし、今や偽造騒ぎで大事な資源として見直されている紙を無駄にしてまで売ろうとする出版社の困窮具合に泣けてくる。一応出版するにあたって、それなりに立派なカバーを付け見た目では本屋に並べても恥ずかしくない代物になったと予想されるが、一旦開けば大幅にした加筆修正も虚しい出来であることは間違いない。編集者さん達は講談社に入社するまでに高学歴も虚しく、踏んだり蹴ったりな転職を繰り返し、大変な過程を辿っただろうに(勝手な想像)、こんなカスみたいな仕事ばかりまかされて気の毒だな。

にしても、本当にこのままでは日本の文学は衰退の一途を辿るとしか思えない。情けない思いが込み上げて、結局朝まで起きてしまったというお話でした。めでたくない、めでたくない。

♪今聴いてる曲♪
Golden AnimalsBig Red Rose
けっこ―好きっすね。今度このバンドについて書くかも。ちなみに今日は「です」「ます」調じゃないってのには理由はないけど、こういうのはどぉっすかね。

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百二十七回目。

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う―』 
森達也著 朝日出版社

先日読みました。ちょうど体調が悪くて寝込んでた時だったので、本を読むスピ―ドはかなり早い方だけど4時間ちょいかかりました。それでも殆ど止まらずに一気に読みました。それくらい、目が逸らせなかった。いや、逸らしてはいけなかった。今までずっと、日本の死刑制度から私自身が目を逸らしてきたように、また逃げてしまうのが怖くて。森達也は、この問題に真向から立ち向かっています。迷いながら、答えを暗中模索しています。

死刑制度がある国は、先進国では日本とアメリカの一部の州だけというのはよく聞く話で、早々に死刑制度を廃止したヨーロッパ諸国からは結構日本へ向けられる視線は冷たいもんです。でも、日本では約8割の人が死刑の存置を唱えている。すごいパ―センテ―ジだと思います。それでも、それだけの人が真剣に死刑制度の存在を考えたことがあるんでしょうか。正直、ほとんど居ないと思います。塀の向こうでひっそりと行われる処刑、犯罪者は自分とは関係ない人だし、殺人を犯したんだから死をもって償うべき存在・・・そんな考えが当たり前になって、わざわざ取り上げることもないトピックと化している。いや、あえて避けているって感じかも。

この本は最初から森達也の考えのベクトルは死刑廃止へと向かってはいるけど、インタビュ―の対象となった亀井静香や人権派弁護士の安田好弘、オウム真理教の元幹部であり、死刑囚の岡崎一明や死刑囚へと教えを説く(というかお話を聞いてあげる)教誨師などとの対話を通じて、彼の気持は揺れ動く。予想外な回答を突き付けられ、何度も苦悩している。もちろん、読んでいる私も同じでした。

死刑制度の存置と、実際に執行するのは何か違う。犯罪の抑止としての死刑存置と、処罰としての執行。私も、もっと考える必要があると思います。まだまだ答えは出せない。でも、この本を読んで、実情を知ってしまった以上、逃げられない。いや、逃げたくない。本当に、読むべき本だと思います。私のつまらない感想文より、ずっと良い書評がネットにあるので探してみてください。(リンクはしません、偉そうだけど自発的に探さないとこの問題は前に進まないと思うので)そして興味があったら読んでください。きっと、8割が存置を唱える現状の、何か変わると思います。

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八十三回目。
そういや最近コレ読んだです。またしても母が図書館から借りてきました。マメ知識がいろいろつきそうな感じで面白いといえば面白いけど、全体として非常に浅いので、ただの雑学があっさりと身に付く感じです。本一冊書ける内容を、全部1Pずつに収めてるんだから、当然浅く広くなるわな。江原啓之氏の人気に関しても、1Pだけ語られており『幼少時から「霊現象に悩まされた」と主張していることについては、重度の心因反応、統合失調症、あるいは脳の器質的疾患があったともいわれている』と書かれていますそれはそれで良いのだけど、だったら池田大作先生とか大川隆法先生などの巨匠方についても分析して欲しいもんです。

damashi  安齋育郎著 PHP研究所出版

表紙に「雑学」と書かれてるし、そんな内容を期待すること自体が筋違いなんですけどね(笑) 「騙されやすくて物わかりが悪い人」向けな内容ですが、ラストの第八章に書かれている「だまされないために」はシンプルかつ明確に書かれているため、改めて「懐疑的になるという武装」の必要性を感じました。でも、科学と宗教は分離すべきだけど、私は超常現象を心のどこかに、憧れじゃないけど、幻想を抱いてしまいます。科学に頼り切ることに、カサカサと乾燥した人間味の欠如を感じるのかも。ロマンなんですかね、そういうもんは。何もかも、科学で立証されてしまうことへの恐ろしさもあるのかもしれません。万物を人間が手中に入れなくても良いんじゃないか、という。逆に科学が絶対!!という人は、ある意味科学という宗教を信仰してるといってもいいほど、とり憑かれてるし。あ、大槻先生は好きですよ。小学校の頃からファンです。

この安齋先生の他の本の方が面白そうですね、たくさんの「だまし」についての本を書かれてるようです。他にも社会心理学からカルトや社会現象を斬った本はたくさん出てますね。そういえば、創価学会批判ってあんまり見ませんよね。私は本屋自体が、池田大作書籍をサポートしてると思うんですけど・・・なぜかサクラ書店では池田大作先生名義の本が売上2位などになっていますし、こんなんじゃ批判本おいても売れないだろな―というのは私の邪推?誤解?

♪今聴いてる曲♪
A Change Of Pace 『Prepare The Masses
そういえば日本来てないねって感じですよね。PCが空っぽになったから色々CDから輸送してて久々に聴いてます。クオリティ高いね。このぐらい歌がうまいと安心する。
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四十二回目。
今日借りたものメモ。
図書館にて。

アメリカのユダヤ人迫害史』 佐藤唯行著 集英社新書
塾の世界史授業で「ユダヤ人」の文字が飛び出すだけで、中学生には刺激が強すぎるんじゃないかって話までしてしまいます。でも食いつきが異常に良い。もっと知って欲しいから、もっと知ろうと思って。

アメリカの原理主義』 河野博子著 集英社新書
母が最近こういう関係の本を読み漁っていて、影響を受けて。母は既読ですが、また読みたいらしくって家庭内又貸し(笑)今、一番勉強したいことって、アメリカに深く根強くあるドス黒い問題なんですよね。情報操作とか・・・当然、取り扱っているゼミもないので、2年間付き合うゼミ選びが大変(笑)

化学兵器犯罪』 常石敬一著 講談社現代新書
結構関心のある中国の大気汚染問題に関連して。どう関連してるかってのは、やっぱりこんなに日本の森林が中国の大気汚染で死んでるのに、日本が中国を真っ向から攻められないのは旧日本軍の犯した罪があるのかなっていう角度から見てみる必要性を感じて。

ナショナリズムの克服』 姜 尚中, 森巣 博 集英社新書
対談って何が飛び出すかわかんないから面白そうだなと。発売から時間は経過してますけど「いまさら」ということは無いでしょう。タイトルはどうなんだろう。克服?

オネーギン』 プーシキン著 池田健太郎訳 岩波文庫
久々に読み直そうかと思って。オネーギンはロシア文学の中でも好きなキャラクタのひとつ。もちろん、脳内想像(創造)はレイフ・ファインズになっちゃいます(笑)ってことで映画「オネーギンの恋文」も結構おススメ。(英語だけどね!!) 講談社の翻訳と比較したかったんですけど見つからなかった・・・昔の翻訳って、失礼だけど「勉強した翻訳」って感じで作品によって硬すぎる印象があります。でも、それに慣れると新訳が逆に読みづらい。結局、硬いのは私の脳みそなんじゃないか(笑)

TSUTAYAにて。

ラテンアメリカ 光と影の詩
近々ある、演習の発表テーマを『現代ロードムービーにみるラテンアメリカ社会』にしようと思ったので、また観直すために借りました。本当に探してたのは「ある日、突然」だったのですが、見つからなかった・・・たった30分そこらの発表なので、浅くなりそう。女子大だから「ラテン映画で描かれる女性像」というテーマでみんなの興味をそそるのもいいかなって思ってます。迷ってる時間は無いけど(笑)

プルートで朝食を
観たい観たいと、先送り。ようやく。他にも観た過ぎる映画が多すぎて、眩暈がしそうだったので早々に退散しました。だからカード作りたくないんだよ(笑)『薄給アルバイター』に『マニアック多趣味』ってのは、最悪に残酷な組み合わせだ(笑)

ツタヤのカード、切れてたのでまた作りました。店員の態度が異常に悪くてものすんごい気分を害しました。何ていうの?いかにもマニュアル的で。バイトだと思うけど、そういう仕事ばっかしてると、社会に出たときの臨機応変性を問われると思いますよ。ホント。
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二十六回目。
先日書店の新書コーナーで『自分の心を見つける  ゲーテの言葉』(永岡書店)という本を見つけたので、購入してみました。他にもゲーテの格言を利用した本が平積みされてましたが、とりあえずということで。別に、ゲーテと私の出会いは私が中学の頃まで遡るので、なんら新しいことはないのですが、この本を手にした人はどのようにゲーテと出会うのか、が気になりまして。

本の内容はといいますと、最初に約30Pに渡りゲーテの人生がザックリとカラーページで掲載されており、短い割にはポイントを抑えてるので可もなく不可もなく・・・あえていうなら白黒にして値段を下げて欲しかったくらいです。それ以降の内容は、右ページにゲーテの格言と引用元が、左ページには編集者の方々の『格言の解釈とありがたい激励のおことば』が掲載されてます。若造なら『いちいち言われなくても分かってるよ』と反発したくなるような、ことばかり書かれているので正直、疲れます。さらに先ほど述べた右ページのゲーテの格言の右横に、私たちに分かりやすい言葉に格言が書き換えられた文が載ってます。ご丁寧だこと。分かりやすく、例をあげましょう。

p.94
ゲーテ:『美しいものは、世界で孤立していることがあるものだ』
  右横:孤立した美しいもの 

p.102
ゲーテ:『自然は過ちを気にしない。自然自身はどういう結果に生じるかに関係なく、ただ永久に過つことなく行動するだけだ。』
  右横:自然を過ちを気にしない

・・・なんで繰り返すんですか?
さらに他には・・・

p.58
ゲーテ:『天才が天才としてなすことはすべて無意識になされる』
  右横:予測は段取りは天才には必要ない?!

・・・「?!」って。確信持てないなら書かないでください。
つか、このシラー宛の手紙からの抜粋は本の意向とズレてると思う。

こんな具合で、太字で書かれた右横の文字が先に目が入ってしまいがちで、すごく気が散ります。さらに左ページの文章も、ゲーテの言葉を解釈していくという読者の貴重な過程が、バッサリ削がれてしまう文になっており、さらには余計な先入観を与えるという逆効果まであります。このような丁寧な説明がないと、翻訳文は難しいことは難しいのですが、その「考える、自分なりに理解する」という機会こそが、ゲーテが意図的に作品に格言を盛り込み、後世に残してくれた財産なのでは・・・と思います。まぁ、この本はゲーテの言葉を上手に利用した自己啓発本みたいなもんなんでしょうけど。

確かにゲーテは、作品の中に多く格言を残しており、短い言葉に深い意味を込めることを得意とし、重要だと思っていたでしょう。でも、ファウストの放つ言葉は前後の過程があってこそ説得力を増すものだし、なんだかこういうオイシイどこ取りなように見えて、重要な栄養素が抜けちゃってる本は好きになれません。批判するために買ってる私もどうかと思うけど(笑) あっ、あともうちょっとシュタイン夫人に宛てた手紙の抜粋があったら良いな―と。とりあえず、同じようなゲーテの格言集をお探しならまず新潮文庫から出ている「ゲーテ格言集」をまず読んでから、ちょっと自分の解釈に悩んだときにこの本を補足として手に取るには問題ないと思います。ゲーテの理想に則してるかどうかは別として。(私は毎日持ち歩いてるのでボロボロに・・・お気に入りの格言をその日その日で見つけるのも面白いですよ^^)

つづきはこちら
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