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百三十九回目。
time-machine 『サマ―タイムマシン・ブル―ス

おととしの公開時に、見たいと切望していたにもかかわらず、地元では公開しないし、尻はなにぶん重いので結局観ないまま終わってしまった映画だった。フジテレビの深夜番組でまさかこんな季節はずれな時期に見るとは思ってもいなかったけど、夏の蒸暑いときに観るよりは幾分寒さとバランスがとれて良かったかもしれない。

もとは劇団ヨーロッパ企画の舞台だったものを映画版にしたこの作品のストーリーは知っている人も多いと思いますが。簡単にいえば、灼熱の太陽がサンサンと輝く真夏の校庭で野球を楽しんだとある大学のSF研究会のメンバーが、エアコンのリモコンを壊してしまい、パニックに陥っていたところ、突如として登場したタイムマシンに乗って昨日に戻り壊れる前のリモコンを取り戻そうとするが、おバカでお調子者の面々が次々と悪ふざけ(いや本人達は悪いとはこれっぽっちも思っていない!!)と起していく、というもの。

タイムマシンには25年後の世界からやってくる青年が乗っているのだけど、一見数十年も昔から現れたんじゃないかと思ったくらいイモいマッシュルームカットの出で立ちに、話し言葉はなんだか古臭いという設定には驚いた。というか笑ってしまった。さらにタイムマシンをどう使うか色々と考えた末に壊れる前のリモコンを取ってくるという発想があまりにもバカバカしくて最高だった。(だから映画を観に行きたいと思ったんだけど)

あまりにもバカバカしい連中が巻き起こす、タイムマシンという永遠のロマンを使った規模のちっさい大騒動がテンポよく進んで、気持ちが良い。勢いがあって、飽きさせない。まぁ、途中あまりのバカさにイラッときて、『お前どこまでバカなんだよ!!』ってその場にいたら、与座の胸倉つかんでたかもな―とか思いました(笑)与座は私の大好きなお笑い芸人ホーム・チームの片割れで、ヴィダルサスーン役の人ですね。まぁ見れば分かるさ、と(笑)ここ数年は俳優としての活動が目立っていて、『魁!!男塾』にも出てます。

終盤には、親切丁寧な解説付きで、ちょっと混乱しがちな交錯した時間を整理してくれてありがたかったです。というか、この映画で語られるタイムマシンの理論やら異議やらありえなさ」ってもんにケチをつけるような不寛容な人は、何故観たのだろうと思うような感じ。H・G・ウェルズの創造した「タイムマシン」の概念を愛するならば、観なければいい。多分、自分の好きなもんをコケにされてるみたいな気持になるだろうから。でも普通に面白いと私は思いましたね。劇場で見ても後悔はしなかったと思います。ラストに、校庭で真木よう子演じる伊藤が、『結局時間って・・・』みたいに余計な講釈を述べるシーンはいらなかった。馬鹿臭く、ちょっとナメられてるみたいな妙な気分で。オチは良かったけど。夏にまた観たい感じ。

♪今聴いてる曲♪
The Secret Handshake 『Too Young
色々CDは買ってるんですけどね…(でも今月はナントまだアルバム1枚!! 先月20枚超えたしね~)段々CDのビニール包装を破るのが何だか億劫で(本来ならば一番トキめく瞬間だというのに!!)持ってるのだけのんびり聴いてます。いや分かってるよ。多分itunesに入れているのにipodを持っていないというのが問題なんだ(笑)
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長野名物はお焼き、私の特技はボヤキ。
by Syamo Trackback(0) Comment(1)
百三十四回目。

こわれゆく世界の中で

 Breaking and Entering

サンプルDVDを自宅で発掘したので鑑賞。

ウィル(ジュード・ロウ)とリヴ(ロビン・ライト・ペン)は10年連れ添っていながらも、籍は入れておらず、関係は「恋人」の状態。リヴの連れ子である娘ビーは問題を抱えており、二人を悩ますものの、リヴとビーには絶対的な「親子」関係があり、ウィルは常に疎外感を感じている。(彼女たちが親子でなくとも、父親は家庭の中で孤立しがちですね) 豊かな生活を送りながらも、両者は心は満たされないまま。そんな生活の中、ウィルがロンドンのキングス・クロスに構えたばかりのオフィスに窃盗事件が起きます。

犯人である少年の母親アミラ(ジュリエット・ビノシュ)と接近したウィルは彼女がボスニア移民で夫を亡くした未亡人だと知るうち次第に惹かれていく、というわけ。正直、この映画を単純な不倫モノだと片づける人は映画を見るセンスがない人だと思っていいでしょう。よくひとつの大事件が起こるまでには30ほどの小事件が背景にある、と言いますが、同様に結果として「不倫」になるまでの、積み重ねがあるため、誰が責められるものではないのです。ロビン・ライト・ペン清らかな美しさもあって、リヴに肩入れをしそうになるものの、彼女もまたスウェーデンで夫を捨てウィルとの愛を選択した身であるため、立場は難しい。

夫婦関係が壊れていく様を、よく『歯車』がズレてゆく比喩表現を用いますね。使い古されているため、こんな言葉をいまどき使う小説家は文才がないと言い切りたいのですが、やっぱりこの表現は上手く当てはまっています。そして、この映画は自然なスクリプトの中で、問題を抱える夫婦に生じる「歯車」のズレが浮き彫りになる様子を見事に表しています。相手に対する苛立ちというものは、自分が予想した行動や返答、表情に反していると、溜まっていくのではないかと思います。特に夫婦や長年の恋人(などの潤滑油が限りなく使い果たされた関係)ともなると、相手を知り尽くしていると思い込みがちなので、予想外な行動は精神的な負担となって積もっていくものなのでしょう。

ラスト前の車のシーンで、私は「それでいいの?」と不安がよぎってしまったけど、リヴの爆発した怒りとやっと聞くことが出来た本音にかなり助けられました。二人が本当に向き合って言葉をぶつけ合うシーンはどこか美しかった。

ただ残念ながら、私のジュリエット・ビノシュ像は「貞淑で孤独な女性」というよりも「不倫しそうな女」といった感じだったため、彼女がどうも計算高く見える部分は作品の格を落としていると思います。ただ、彼女を大きく助けたのは息子役の少年。父性を求めながらも犯罪に利用される彼の痛々しい役柄を自然に演じているんです。彼の印象は強かった。ラフィ・ガヴノンという子らしい、スタントも自らこなしてるらしい!! すごい!!

アンソニー・ミンゲラはジュード・ロウとすごく相性のいい監督だと思っています。プロデュース作品を含めてミンゲラ作品は全て見ていますが、彼が撮るものは、「」の純粋な部分を抽出したものが多いうえに、今回のように「都市」で描かれるものは珍しいので、今作は彼にとっても挑戦になったんじゃないかな、と。脚本を務めた面も含めて、ただの恋愛だけでなくマージナルな生活を強いられる移民などに対する監督の切実な思いが込められていて、そういう細かい点にも是非注目して欲しい作品でした。これは、不倫ではなく、夫婦や親子の再生の物語です。

ちなみに原題の「Breaking and Entering」は「家宅侵入」という意味ですよね。うまく付けたと思います。



おまけもあるよ。でも、すごくパーソナルなことかもですわ。
by Syamo Trackback(1) Comment(0)
百二十六回目。
クルリン・クルリン・クルリン・ポイ♪ご安心ください、イナックスのしゃもじです!! 普通に日記書くと、昨日友達に会いました。すげ―楽しかったです。昆虫の話を肴に、食べてばっかりいた気がします。二十歳そこらのうら若き娘二人が、何時間も昆虫や動物の話をしてる姿は、おじさん達からすれば珍妙かもしれません。それでも私たちは限られた青春の日々を有意義に過ごしているのです!! ・・・ちょっと分からなくなってきました。しゃもじ家に招待して(この為に部屋を一晩かけて清掃しました、良いきっかけでした)、ご飯食べました。かたつむりのナメ吉も紹介しました。こいつ、大きくなってる気がしますよ。めちゃめちゃ大食漢です。二十歳そこらのうら若き娘がカタツムリを成育し、愛する姿は、おじさん達・・・(中略)・・・のです!! いや―楽しかった。

Death Note 

そうそう、先週に引き続き(ブログには書いてませんでしたが)『デスノ―ト』の続編を今週の金曜も見てしまいました。漫画を高2の時に5巻ぐらいまで友達に借りて読んでいたのですが、そのときは面白いと思っていたけど、それっきり続きを読むこともなくなっていましたんですよね。んで、映画版。結構良く出来ていますよね。その、原作と比較した感じは。ちょっと舞台で活動しすぎたのか、藤原竜也の演技が大袈裟に見えてしまいましたが、キャストもまぁまぁ。(ちなみに月の『コンソメ味は僕しか食べないんだ』みたいなキメ台詞のモノマネが今私のマイブ―ムです:笑)何より、松山ケンイチの演技はなかなか良いですね。浮世離れした空気を上手くモノにしてます。たまに評論で「この物語は犯罪と法律の矛盾をどうたらこうたら・・・」と褒めるものを見ますが、ぶっちゃけ何でこれがこんなにウケたかってのは、そういう物語の大きなテーマよりも、追い越し追い越されの頭脳戦だったんじゃないかと思います。読者も騙されて心地いいっていう。私もそういう小細工が面白いと思ってたけど、あんなに頭のいい月が「新世界の神だぁ~」とか言うときはものすごくバカに見えますし、どうしてあんなに歪んだ思想を持った人間になっちゃんたんだろ、とかね。父親の影響と考えるには暴走ぶりが激しいし・・・「何で分かってくれないんだよ父さん!!」(遺言?)と言う姿は哀れですらありましたね。でもあんなネロみたいな息子にも、ラスト倒れた時に駆け寄る父親の姿はなんとなく複雑でした。鹿賀丈史、さすがですね。

あと、金子修介監督の起用は個人的に非常に嬉しかった。彼は、荒唐無稽なありえない設定から上手く現実世界に結び付けてグイグイ引き込んでいく、強引でありながら親切丁寧な表現は彼の実力でしょう。さすがロマンポルノ出身。(え?)

♪今聴いてる曲♪
PolaroidDreamers
・・・若い(笑)とにかく若い。まだ高校生くらいだったと思う。でも、年齢を考慮してこのクォリティ、まぁなかなかやりおるなって感じ。まだ親が養ってくれてるのか、Myspaceで無料DL大放出中。

それがさ、まだ続くんだなこれが。
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百二十三回目。
the hell

美しき運命の傷跡』(仏題「L'Enfer」)・・・昨日観た映画のタイトルです。とはいっても、観ようと思って観たわけではなく、BSで無料で放送してたから。まず、ぶんなぐられそうな一言で感想を述べるなら『みんな悩んでて大変だなぁ』みたいな感じですね(笑) はい、すみません・・・子どもなんですよ、私は。ストーリーとしては3人姉妹とその母親が、それぞれの愛の溝に深くはまっていって、愛を喪失するという悲しいようで、どこか美しさのある話でした。(ただ邦題の「美しき~」とは違うと断言)でも、エマニュエル・べアールが長女なのね。好きな人にはたまんないと思うんだけど、あのイヤらしそうな唇とか苦手で・・・役柄としてはあってるんですけど、全体的にすごく光の使い方が絶妙で芸術的な作品なのに、エマニュエルのナチュラルメイクもしていない肌の荒れ具合が無駄に気になってしまいました。ごめんなさい。ただ、一つ一つのコマが美しいがゆえに作品全体に大きな影を落としてる印象でした、劣化させてるのではなく、より悲しいものにさせていたという意味で。

で、いま調べたら、この作品は私が敬愛する故クシシュトフ・キェシロフスキィの遺稿を元に作ったようで、ああなるほどと思える部分もある・・・彼の意思を受け継いだダニス・タノヴィッチ監督の、巧みに4人の愛を描きながら、冷静でロジカルな視線はこちらを唸らせるほどだったし、これからも注目したい監督ですね。(でも、やっぱりキェシロフスキィが撮ったらどうだったんだろうとか、想像は膨らむばかり)それにしても「地獄」という原題を、どう間違って『美しき運命の傷跡』としたんでしょうか。作品を包む暗澹とした愛の重みは、決して美しいものではなく、かなりダークだと思います。傷跡も「跡」と言うには早すぎる、まだ生々しいような状態がイメージ出来る。ここ数年の邦題付ける人は、物わかりが悪いのか、観客を騙す商業路線を暴走してるのか、映画とチグハグなものが多すぎますね。(特に数十年前の邦題を小細工して持ってくるようなセコいことはヤメたって・・・)こういう仕事もしたいなぁとは思うけど、どうなんでしょうかね。

まぁ、はっきりいってもっとしっかり見れば良かったと思います。肝心の冒頭を疎かにしてたし、阿呆な母と二人でチャチャいれながら見る映画ではなかったです。つくづくごめんなさいです。でも、本当・・・私は子どもなんですよ、三女みたいに素敵なオジサマと恋愛とか想像出来ませんでした。ジャック・ペランは魅力的だったけど・・・

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百九回目。
Rest In Peace, Heath Ledger

RIP Heath

ヒース・レジャーの訃報を聞いてしばらくした今でも悪い冗談であって欲しいと願ってます。今は本当に言葉になりません。ただただショックで・・・もうなんて言ったらいいのか、何も言葉が見つからない。もっと彼の演技が見たかった。映画は彼を必要としてた・・・残念で仕方ありません。思い浮かぶのは彼の最高の笑顔だけです。

(1月25日追記)
ヒース大好きっ子というわけではなかったんだけど、『恋のからさわぎ』で典型的な10代の女の子的なクラッシュ(笑) を彼に抱いてた時期があるんですよねぇ。ちょっとアフォだけど、爽やかな学園ものの映画で・・・私にもこんな映画を見てた時期があったわけです(笑) ヒースの魅力は、あまりスターっぽくない所なんじゃないかと思うんですよね。そりゃスターだよっていわれれば否定はできないけど、彼は人間臭さがハリウッドにいながら消えなかった気がします。散々流した浮名も、死んじゃった今になると遠い昔みたいになりますね…ナオミ・ワッツとマリファナやってて、ナオミの飼い犬がハッパ食べちゃって痙攣起こしたニュースを聞いた時は、本当バカだなぁと思ってましたが、俳優としての彼はすごく好きでした。どんな役をやっても、奇妙な無垢さみたいなものがあったと思います。残念ですね、本当に。
by Syamo Trackback(0) Comment(2)
百回目。
Two sons

最近、時間がとにかく足りなくて一日が40時間だったら…とかばっかり考えてるんですけど、今日で冬休みも終わってしまって更に鬱。(月曜は授業が無いので明日休みだけど用事が…)気分転換に映画でも見るか、と閲覧用サンプルのDVDの中から『フランシスコの二人の息子』を鑑賞。

ブラジルで小作人として働くフランシスコが、息子たちに自分たちと同じような生活はして欲しくない、音楽で一発儲けて楽な暮らしをして欲しいと、彼らに音楽を半ば強制的に学ばせていくという、今ではブラジル音楽界を代表する(らしい)アーティストゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの実話に基づいた物語。フランシスコと妻エレーナは文字通りの貧乏子だくさん。ただ貧しいながらに晴れやかなブラジルの空の下、幸せに温かな家庭を築いていく姿が見ていて気持ちが良い・・・フランシスコの野望の最初の被害者は長男ミズロマル。始めは音痴はなはだしい彼だけど、ハーモニカを買い与えて以来、音楽に没頭する。二人目の被害者となる次男エミヴァルとデュオを組むことになり、父はそれぞれにアコーディオンと、アコギを有り金はたいて買い与える。

彼らに生卵を毎日飲ませるという自己流特訓をさせる父親だが、楽器はてんでダメ。ほぼ独学で習得していったエミヴァルとミズロマルに驚く。そして彼らの歌声の心地よさと、楽曲の素晴らしさに感動。しかも、かわいい!!(笑)徐々に音楽の楽しさと、貧しい家族の生活の足しになればという健気な想いから路上ライブを始め、二人の歌声は多くの人の心を揺さぶっていくのだけど…ある悲劇が家族を襲うまでの中盤(少年期)は、とても魅力的で、目が離せない。ただ、後半(青年期)は、ミズロマルが何だかFall Out BoyPeteがどうかしちゃったみたいな顔になっちゃって、少し萎えるうえに展開も中だるみ気味。でもラスト、フランシスコの秘かな尽力(これがまた良い!!)も手伝って、ようやくトップアーティストとなっていく過程を見ると、すぐに大衆に見いだされず都会の辛酸を舐める場面があったのは良かったのかな。ラストあっての中盤で、中盤あってのラストではないことは確か。現在のゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノと両親の姿(本人)で映画は終わるが、町では気が触れたと言われたフランシスコの判断が間違いではなかったんだなと。理想像とは言い難いかもしれないけど、最高の親父だった。妻エレーナの夫を信じる大和撫子ぶりにも脱帽。

私はゼゼ・ヂ(以下略)を知らなかったので、先入観もなく見れたので逆に良かったと思います。前半が良かっただけに、後半の構成悪さと青年期の薄っぺらさが目立ちますが、とにかく、音楽だけでも本当に最高なので良かったらどうぞ。



だからどっかで突っ込まないとやりきれないの!!(ネタばれ)
by Syamo Trackback(0) Comment(0)
八十八回目。
Stranger than Fiction

主人公は僕だった』(「Stranger Than Fiction」06年)
レンタル落ちをいくつか知り合いからもらったという脱法(できてない)話をこの間書きましたが、そのうちのひとつがこれ。最近、朝から晩までバイトで暇がないのですが、夕飯時に父親がいない場合はテレビ権が私に譲られるので見れます(笑)というわけで、昨日鑑賞。

ストーリーはご存知の方が多いと思いますので、ここをリンクするにとどめておきます。今まで、私はウィル・フェレルに晩年2位俳優(なかなか主演映画でボックスオフィス全米1位を取れないから)というレッテルを貼っていた上に、アクが強い顔で勝手に苦手意識を持っていたのですが、これほど彼がこの役にぴったりだと思ったことはありませんでした。あの彼が演じる国税庁に勤めるハロルドは何をするにも数字をカウントし、人とは仕事以上の関係を持たず、つまらない退屈な男・・・そんな彼の人生を一変させる『声』 ― 散りばめられた皮肉と、ユーモラスで魅力的な登場人物たち(キャストがまた良い!!)。エマ・トンプソンの振り切れ加減は女優としても脱帽だし、クイーン・ラティファの相も変らぬ重量感と彼女なりに抑えた演技が光る、マギー・ギレンホールもこんなに可愛かったっけな?と思うほどチャーミング、ダスティン・ホフマンに関しては、やっぱりこの映画の時間感覚を握るほどの絶妙さだった。だから死の宣告を「」から受けて、ハロルドは慌てふためいても、映画の流れる時間が依然としてゆったりとしてる、にもかかわらずミステリーとしても上質なスリルを味わえるのがまた秀逸。近年の、ダスティン・ホフマンは低予算で良質な映画選びが非常にうまくて、円熟したキャリアに付随した存在感をうまく作品に溶け込ませてると思います。脚本も良いなぁ、字幕では簡略化した訳になってる部分が多かったけど、マギー演じるアナに恋しても『数字よりも好きになれるのは彼女だけなんだ』と言ってしまうハロルドがなんか可愛いんです。プラス、欠かせないのが音楽!Spoonを中心にThe Jam、ラストはMaximo Parkまで流れるとはこだわりを感じてニヤついてしまいました。こちらで少し聴けます。

注意深く観れば、冒頭からラスト(のオチ直前のアレ)を想像できるのですが、あのシーンは思わずハッと息をのみこんでしまうし、一瞬カオスに飲まれたような不思議な感覚も覚える。ハロルドが「死」を奇妙なかたちで受け入れた故にとった行動なのか、死の勲章を残したいと思いからの行動か、「声」を聴く前とは別人になった彼が自然にとった行動か・・・それは分らないけど、真のラストを見たときに包まれる安堵感と幸福感は、良い映画を観たなぁという感覚なのかな、と思いました。派手さはないけど、なかなかの快作です。この焼きたてクッキーのような素朴さも、きっと制作側の狙いなんだろうし、良しとします。



これが時代の流れってもんなのか?と独断偏見。
by Syamo Trackback(0) Comment(0)
八十四回目。

Alien

どうです?みなさん調子は。こんな私でも師走は忙しくしてくれるようで、実は結構てんてこまいです。明日はスペイン語の試験ですし・・・あら、こんなことしてる場合じゃないわね。でも、ナニブン生き抜きなしでは死んでしまうタイプなので。ってか…絶対にデスクワーク朝9時~5時会社員に不向きですよね。大丈夫ですか?こんなんでも、私は社会で働いていけますか?両親の老後を支えていけるか、10年前から不安で仕方ないです。

まぁそれはそれでイイとして、全く映画を見る時間もないのに最近レンタル落ちの最新DVDを貰ったりしてて(違法?) 溜まってるし、欲求不満も溜まってるな―と思ったら昨日の午後のロードショーは『エイリアン』。やっぱ最初のは面白いですね、個人的には「2」も好きなんですけど。昨日も『シガニー・ウィーバー、ほぼスッピンなのに肌がサウナ上がりみたいな潤いだな』とか『ダラス早く死にすぎだろ―ヒゲのくせに』とか『フェイスハガー、てらかわゆす』とか言いながら見てました。あとラストはリプリーが猫をカゴに入れて一緒に逃げるんですけど、リプリーが必死で逃げるからカゴもブンブン振り回されちゃってて(最終的には床に放り投げてる)、本来なら中に入ってる猫は全身粉砕骨折だと思われるのですが、ピンピンしてて素敵です。この映画は中盤が特に好きですね。だから後半にかけてのギャップが良いのかもしれないけど・・・リプリーのショーツ姿を見て、カタチが古いな―と思いました。未来って設定なのに・・・つまりファッションもある程度進んだら後退する、という解釈でいいのでしょうか。60年代のファッションとか可愛いものね。絶対バブル時期のデカスーツスカスカ前髪ショッキング・ピンクな口紅ボディコン極太眉毛は復活しないと信じてますが。(ちなみに眉毛は経済を表すというのは有名な話ですよね、90年代は細かった!!)

♪今聴いてる曲♪
AnberlinChristmas (Baby Please Come Home)
もちろんDarlene Loveカバー!! だけど、ポップもいけるじゃんAnberlin!!って感じですごく好き。やっぱりこの時期になるとクリスマスソング聴いちゃいますね。



本当についでって感じなんですが、愚痴です・・・クリック?
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五十八回目。
カムイ外伝』が映画化することを、つい先日知りました。主演が松山さんちのケンイチ君らしいです。『カムイ』には思い入れが結構あるんですよね。私が小六の時に祖父が他界したのですが、そのときに彼の本棚にあったカムイ伝シリーズを手にとって読み始めたのが出会いのきっかけ。しかし、母親に『中学生になってから読みなね』と静かに制されたのを覚えています。(元々は母が祖父にカムイ伝シリーズをプレゼントしたらしいです)まぁ、こっそり読み続けてましたけど(笑) 確かに「中学生になってから」と云った母の気持ちは分りましたね。若干ヴァイオレンスですからね(笑) でも、読み進むごとにカムイの登場がまばらになり始めて、カムイ好きだった私はすぐ外伝を読んだ気がします。しかも、1部の途中で放棄したっきり(笑) あれですよ、小学生には随所に挟まれる白土先生の注釈というか解説が長ったらしくてしょうがないんですよ(笑) だから外伝で「わ―カムイだぁ―かっけ―」ってなってた方が楽しかったのです。本編のほうのカムイ、だんだんゴツくなってきますしね(笑) でも、高校のときにまたしっかり読み直していたんですけど、正助メインになり始めてたあたりで、なんと高校の日本史の先生が授業中にネタバレをしたんです!! 「正助がどうなるか~・・・」っていうのを!! 本当に「あ"~~~!! 何云い抜かすんだクソジジイ!!」と叫びそうになった記憶があります。でも、ちゃんと読み終えましたよ。といってもまだ完結してないんですけどね。作者がご存命のうちに書き終えて欲しいです。

前フリが長くなりました。そう、で!! 松山ケンイチ君?的な。イメージと違いすぎて。彼、漫画の実写版多いですよね。演技はうまいんですけど、今回は納得いかないです。カムイを想像して、パッと浮かんだのは柳楽優弥かな―と。もう少し年齢がいってたら・・・・合ってません?ですよね?(必死になって同意を求めてます:笑) とにかくあまり映画化も期待できないなと思います。監督が崔洋一氏なのは良さそうですけど、脚本は宮藤官九郎か・・・新境地開拓といったところでしょうか。まぁ、実写版ってなんともいえませんよね。『ドラゴン・ボール』がジャスティン・チャットウィン主演と聞いて、爆笑してしまったし・・・ひ弱そうな孫悟空ですよね。やっちゃいけないことしてますよ。今のところ、『寄生獣』の実写版に期待してます。清水崇監督なのはナイスですが、ハリウッド資本のため予算は多額なのは良いとして、キャストが気になる。もしくは日本人フェイスなのに、会話イングリッシュとか・・・ハリウッドの神秘が起きてしまうのではないかと懸念してます。監督がどれほど我を通せるかにかかってますよね、プロデューサーの激圧に絶えながらふんばって欲しいです。でも、プロデューサーの中には日本の一瀬隆重氏もいるようだし、なかなか気配りがきいてるようで期待大。って、カムイ伝から急に話題がズレたことには触れない優しさをもてる読者を「しゃもじの日記」は求めています。
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五十三回目。
breakfast on pluto

先日レンタルした『プルートで朝食を』の感想を・・・性同一性障害の主人公(キトゥン)の波乱万丈人生を、あまりにさらりと描いてしまう世界観には、二―ル・ジョ―ダンの手腕にまた脱帽させられてしまうわけだけど、浮遊感のあるスクリプトの随所に心臓をナイフで突き刺されるような痛みをごく自然に差し込んでゆくのがまた凄い。これは、キリアン・マーフィに助けられてるとこが多いし、まさかここまでキリアンの女装及び演技が違和感を感じさせないとは思わなかった。私のキリアンへの愛が増したのはいわずもがな、で。酔っ払いの演技は、酒を飲まない傍観者の方が上手いとはよくいうけれど、心が女性の演技を男性がすると歩き方や手の動かし方など細部まで観てて非常に艶っぽい。(だから日本の女形の美しさはいつも溜息もの) キトゥンの場合は色気というよりは愛しいまでの可愛さなのだけど。

ともすれば、鬱になりそうな題材をポップな音楽とヴィヴィッドな映像で彩ってるのも魅力的だし、1章2章3章・・・と物語風に進んでいるのも、当然キトゥンが自らの悲しい人生を物語だと思っては涙を飲んでいるから、という意図的な狙いと同時に、観ている側の分かりやすさへも配慮されてて良い。大体こういう映画で私はウザく感じるキャラがいるのに、この映画はそれがなくて愛しい登場人物ばかり。ちなみに私はリ―アム・ニ―ソンが大好きで、彼の演じるリ―アム神父(!!)がお気に入りになってしまった。ラストは、キトゥン自身が幸せになったわけではないけれど、彼女は他人の幸福を我が身のように抱きしめることができる人。終わらぬスト―リ―の次章は、観客が思い描いてゆけば良い。私のようなナメクジ人間に向けられた『前向きキトゥンの生き方講座』 ― 後ろ向きな人はハッとさせられるかも。

「シュガ―・ベイビ―・ラブ」は嫌いな曲だったけど、映画終わったあとはしばらく脳内エンドレスで困ったな(笑) 私もキトゥンの折れにくさを見習わないと・・・。
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